大きなアメリカの小さな家「Tiny House Nation」が面白い
「タイニーハウス」というムーブメント
近年、アメリカでは最低限のモノしか所有せず、コンパクトでシンプルに暮らすという「タイニーハウス(スモールハウス)」というムーブメントが起こっているようです。
アメリカの家の平均的な床面積は約200㎡。タイニーハウスは20㎡〜40㎡のものを指すので、1/10〜1/5しかないということになります。
アメリカというと、「大量生産!大量消費!」「コストコ行って冷凍ピザ50枚買うぞ!」みたいなイメージですが、リーマンショックで家を失った人がいたりして、いろいろと生活を見つめ直し、シンプルな生活を選択する人が増えているということでしょうか。
大きなアメリカの小さな家「Tiny House Nation」
「Tiny House Nation」は、そんな小さな家を視聴者の依頼を受けて作るテレビ番組。日本ではCSのヒストリーチャンネルで放送されています。
▶︎ Tiny House Nation FYI Network
僕は番組を観ながら「二人で生活するにはちょっと狭すぎるんじゃないかなぁ」なんて思うことが多いのですが、自らもタイニーハウスに住む大工のザックさんが、とにかく工夫に工夫を重ねて、狭い家の中に水回りや寝室、リビングを収めていくのが見所。ベッドはロフトもしくは収納式が基本。そして収納したベッドはソファになったりデスクになったりと、ひとつの家具に二つ以上の機能を持たせることが必須のようです。
その一方で、躯体を建ててしまってから「ロフトの階段はどうしよう」とか「どこにバスタブを置こうか…」と考え込んだりしてて、けっこう大雑把にやってる部分があるのも面白い。
家が小さい分、ウッドデッキを広く取って、外でくつろげるリビングスペースを設定することで室内の狭さが気になりにくかったりという工夫も勉強になります。下の写真みたいな、半分外で半分室内、みたいなスペースに憧れます。
また、依頼者がタイニーハウスを建てる土地がまた素晴らしい絶景のロケーションばかりで、それだけでもう溜息が出ます。
国土の狭い日本では、選択の余地なくタイニーハウス(狭小住宅)に住まざるを得ない人も多いので、この番組で取り上げられている人たちのライフスタイルは大いに参考になるかもしれません。
僕も小さな家にはとても興味があるのですが、モノに囲まれた暮らしも好きなんですよね。壁一面の本棚にある愛読書を全て電子書籍化すれば、部屋はすっきりするけどなんだか味気ない。
あまりにも無駄を排除してしまっては、生活に彩りがなくなってしまう。
家にある「モノ」がその家に住んでいる人の「生活感」を醸し出し、個性(=魅力)となるものだと思います。
シンプルに無駄を省きつつも、ちょうどいいバランスで魅力を見出せる家を作りたいものです。