【実家をたたむ】自治体が空き家バンク

移住希望者との間つなぐ

ふるさと回帰支援センターには空き家バンクについてのパンフレットが多数用意され、参考になる(東京・有楽町で)

「借りてくれる人がいて、本当にありがたい」。岐阜県中津川市の駅から車で10分ほどの場所にある農村部。築40年ほどになる瓦ぶき2階建ての民家を見上げながら、会社員の丹羽淳さん(51)は笑顔を見せた。

京都市に住む丹羽さんは、高校までこの家で暮らした。その後、父親が特別養護老人ホームに入り、母親も亡くなって4年前から空き家に。月1回訪れ、空気の入れ替えなどを行っていたが、「どうにかしなければと漠然と思うだけで、そのままにしていました」。

転機となったのは今年2月。中津川市のNPO法人「田舎暮らし応援ネットぎふ」から「家を賃貸に出しませんか」と連絡があった。同ネットは2年前から岐阜県の事業で空き家調査を行っており、丹羽さんの家を見つけて連絡してきた。理事長の木全義則さんは「地域活性化のための、空き家とそこに住みたい人をつなげる仲人役です」と話す。

今夏、滋賀県大津市の夫婦から申し込みがあり、10月に賃貸契約を結んだ。家賃は同ネットで教えられた相場並みに設定。空き家の時には、冬に水道管が破裂するといったトラブルもあり、「希望する人に住んでもらえるだけで満足です」。

引用元: 【実家をたたむ】(下)自治体が空き家バンク : 住宅・不動産ニュース : ホームガイド : YOMIURI ONLINE(読売新聞).